ニックス優勝、その監督は56歳でNBA出場ゼロ:AI時代、中高年の再就職はこの法則の中にある
ニックスが今年優勝した。52年ぶり、初めてのことだ。
トロフィーを掲げた監督はマイク・ブラウン、56歳。ニックスを率いた最初のシーズンで優勝した。彼自身は選手としてNBAで一試合も出たことがなく、アシスタントコーチから一歩ずつ上がってきた。これは彼のキャリアで関わった5度目の優勝への道のりだ——前の数回は、スパーズやウォリアーズのあの世代に、アシスタントコーチや監督として付いていった。
カメラを彼から引いて、リーグ全体を見てみる。コートを走る選手は20代から30代前半、30を過ぎれば「ベテラン」と呼ばれ、35歳でほぼ引退する。ベンチで指揮を執る連中はちょうどその逆で、軒並み年配だ。ポポビッチは77歳まで監督を続けて引退し、その引退前にNBA史上最も高額な監督契約——5年8000万ドル——にサインした。カーは60歳。ナースとアトキンソンは57歳。スポルストラは54歳。同じ舞台で、体力的には最も淘汰されるべき年齢が、ちょうど決定権が最も集中し、報酬が最も高い年齢になっている。
なぜこうなるのか。
選手が売るのは脚、監督が売るのは判断、そしてこの二つは逆方向に老いていくからだ。脚は30歳を過ぎると借金の返済が始まる。一方で「どんな局面でどんな戦術を呼ぶか、この選手の今日の気分をどう御するか、残り2分でボールを誰に託すか」というあの一式は、何十年も一試合ずつ積み上げて手に入れるもので、歳を取るほど厚くなる。一つの舞台が同時にこの二種類の人間を抱え、若い側が実行を担い、年長の側が判断を担う。
この法則をAI時代の職場に持ち込むと、多くの人を眠れなくさせている一件がそのまま説明できる。中高年の再就職だ。
AIがこの数年で引き取ったのは、知識労働の中の「選手」の部分だ——素早くアウトプットし、疲れを知らずにコードを書き、表を作り、原稿を出す。コート上の脚に相当する。25歳で、手が速く、残業を厭わない人間のもともとの十八番が、ちょうど今のAIが最も安く出せる能力だ。「AIがまず奪うのは若手の入門ポジションだ」という言い方が出てき始めたのも、これが理由だ。
残って値が付くのは、監督の部分だ。何を仕掛けるべきか判断し、どこで問題が起きるかを前もって見抜き、いくつもの案の中から決断を下し、部屋いっぱいの人間の感情と期待を御する。これらはまさに、経験がその価値を増し、AIが短期では替えられないものだ。職場における年配の人の出口は、おそらく「選手」から「監督」の椅子へ移ることになる——選手を続けるなら、彼は若手にも勝てず、AIにも勝てない。
だがこれは自動では起こらない。NBAでも、年を取った選手の全員が良い監督になれるわけではなく、スター選手の多くは引退後の指導で振るわない。むしろマイク・ブラウンやポポビッチのような、選手時代は目立たず、しかし何十年もの時間をどう勝つかの研究に費やした人間が、あの椅子に座った。違いは一点にある——この数年、あなたは時間を反復的な実行に費やしてきたのか、それとも実行の経験を判断へと沈殿させてきたのか。前者が積むのは勤続年数で、後者が積むのは監督としての履歴だ。AI時代に真っ先にコートから下げられるのは、20年やってきてなお「選手」のあの仕事しかできない人間だ。
ニックスが優勝したあの夜、アリーナの中で最も稼ぎ、椅子に最も安定して座っていたあの男は、56歳、自分では一球も投げていない。
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