2026-06-20

AI時代のプロダクトマネージャーになる 01|PMのどの仕事がAIに奪われ、どの仕事がかえって高く売れるのか

まず、採用での変化を一つ見てほしい。

2026年、少なからぬAIプロダクトマネージャー職のJDが、「PRDが書ける、ワイヤーフレームが描ける、データダッシュボードが作れる」を必須要件から外し、代わりに三つの作品を求めるようになった。自分で実際に作った、開いてクリックできるプロダクトが一つ。本物の数字を載せた振り返りが一本。そして自分で書いたevalが一式。ある採用担当者が計算したところ、履歴書は平均90秒しか見られないが、まともなケースなら8分は読まれるという。

この二つを並べると、ある移動が見えてくる。AIに奪える仕事は、採用要件から落ちていっている。残ってハードルになるのは、人間にしかできない部分だ。この回では、その二列を並べて対照させ、シリーズ全体の総論とする。

奪われた側の列

要件定義書を書くという体力仕事が、まず消えた。ChatPRDのようなツールは、数分で構造の整ったPRDを一本生成してしまう。あなたが手を入れるのは判断であって、体裁ではない。

ワイヤーフレームを描き、クリックできるプロトタイプを組む――これも急速に値下がりしている。Lovable、v0、Claude Codeは、「一言」をブラウザでクリックできるページに変える。数分で一版だ。かつてこの工程はスケジュールを切り、デザインとフロントエンドを待つ必要があった。今ではあまりに安く、一日に五つの方向を試せる。

それから、あまり口に出されないものがもう一つある。「技術がわかる」こと自体の希少性が落ちている。かつてプロダクトマネージャーの交渉力の一部は、エンジニアと対話でき、ある機能が実装上どれだけ難しいかを見積もれることから来ていた。今はあなたが考えを明確に描写すれば、AIが実装の難しさの部分を食い尽くしてくれる。これこそdoaipmがずっと言ってきた言出法随――言葉にすれば、その通りにAIが作ってくれる――だ。技術がわからない人は、かえって「これは作るのが大変すぎるだろう」という一段の自己抑制がない。

進捗の催促、チームをまたいだすり合わせのうち、機械的な調整の部分も、同じようにツールやagentに食われつつある。

高く売れる側の列

「やるべきかどうか」を判断することが、初めて「できるかどうか」より高くついた。METRはあるランダム化比較試験をやった。16人のベテラン開発者が、何年もメンテしてきた自分のプロジェクトでAIを使って仕事をしたところ、実際には19%遅くなった。それでも彼らは、やり終えてなお自分は20%速くなったと思い込んでいた。自分の手で仕事をしている当人ですら自分の産出量を正しく判断できないなら、「何を作るか、それに値するか」という判断は、ますます希少になるしかない。

要件を明確に言葉にすることが、ソフトスキルからハードスキルに変わる。AIは省略から推論してくれない。「今期はログインを作らない」と書かなければ、おそらくログインを付けてくる。境界も、状態も、何をやらないかも明確に語れる人は、産出物の質が他人と一桁違う。

「何を良しとするか」を定義することが、専門の手仕事を要するようになり始めた。LennyとOpenAIのCPOが同じことを言っている。evalは、プロダクトマネージャーにとって二十年ぶりの新しいハードスキルになりつつある、と。前回、業界全体が学び直す必要に迫られたハードスキルは、SQLとExcelだった。evalを使って「まあいい感じだと思う」を測定可能な基準に翻訳できること、それが新しい分水嶺だ。

AIが出してきた選択肢の山から決定を下すことが、日常になった。Marty Caganの言い方はこうだ。AIはパターンをsurfaceし、仮説を起草し、選択肢を生成できる。だが、どのパターンに意味があるか、どの仮説が検証に値するか、どの選択肢が事業に合うか、それは判断しない。その一発の決定は、人間に残される。

あまり変わっていない側の列

ユーザーが本当に何を欲しているのか、このビジネスが成立するのか――この二つはAIに代えられないし、代えている様子も見られない。a16zがプロダクトマネージャーに与えた助言にこういう一条がある。純粋なプロセス管理者は淘汰される、「建てる側のマインド」を持つ人だけがレバレッジを持つ、と。建てる側のマインドとは、自分で手を動かして考えを形にし、検証しに行く意志のことで、コードが書けるかどうかとは関係ない。

上の二列を対照して見ると、あることに気づく。左の列(奪われた側)は、ちょうどこの十年のプロダクトマネージャー採用で最もよく書かれてきたハードスキルだ。右の列(高く売れる側)は、これまで面接でほとんど誰も問わなかった。

このシリーズの残り十九回は、その右の列を一つずつ分解していく――どう考え抜くか、からどう作り出すか、そしてどうやってそれが良いと知るか、まで。

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